top

人造人間キカイダー

ここしばらく石ノ森章太郎について語っていたせいか、今週の実家通いの際、つい実家に残しておいた石ノ森作品に目がいき、久しぶりに読みふけってしまいました。てことで、「人造人間キカイダー」などを。

人造人間キカイダー 第1巻 (1) (サンデー・コミックス) 人造人間キカイダー 第4巻 (4) (サンデー・コミックス) 人造人間キカイダー 第6巻 (6) (サンデー・コミックス)

実は作品としては009より好きかもしれません。ジローに惚れちゃってまして(笑)。こちらもテレビじゃなくて原作派。

ただ。実はこの作品、他の石ノ森作品とはちょっと違うところがありまして、私が見た感じでは「石ノ森氏がかかわったのはネームまで、もしかしたら下書きの一部までなら手がけたかもしれないけど、ペン入れは石ノ森氏とは別の人」だと思います。
中の扉に協力者として3名のスタッフが名を連ねているので、おそらくペン入れ~仕上げはその方たちで行っていたのだろうと思われます。ですので石ノ森氏の作品であると同時に石ノ森プロの共同作品でもあるわけですね。

一目見たら分かるんですけど。絵が違うんですよ。特に線が。線に石ノ森氏特有の癖と味と艶がない。作品に漂う空気が違う。いい方向に評価するなら、癖のない(ある意味読みやすい)万人向けの絵になっている、とも言えますが。なので、「石ノ森氏の作品を読んでみたいけど、あの絵柄が苦手で…」という人にはいいかもです。

物語の方は絵に反して悔しいほどにみごとに石ノ森ワールドです。しかも作品としての完成度が高い。不完全な良心回路に悩むジローの描写もくどすぎず軽すぎずバランス加減がなかなか絶妙で、読む人の心をつかんでくる。少年向け物語としてかなりの質の作品に仕上がっていると思います。絵が石ノ森氏でないにかかわらず、この作品が009を超えて好きな作品になってしまったのも、作品の完成度とジローのキャラの魅力が絵を超えてしまったからかなと思います。
ラストは衝撃的です。いろいろな意味で。「リュウの道」とはまた違うタイプの作品ですが、これも石ノ森氏の代表作の1つだと思います。テレビ特撮のキカイダーは見てたけど漫画は読んだことがないという方も、機会があれば読んでみられたらいいかと。


ところで。ジローの後日談。
があるんです、実は。なんと「イナズマン」の最後の巻に登場するんですよね。それもイナズマンvsキカイダーという夢のシチュエーションで。そこで初めて本当の石ノ森氏の手になるジローを拝めたわけですが。石ノ森氏の艶やかな線で描かれたジロー…! 悩殺ものですよ、これは(笑)。絵に く ら く ら してしまって本題を見失いそうになりますが(^^;、本編のテーマからつながる興味深い内容になってます。