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鉄人28号 白昼の残月

鉄人28号 白昼の残月 DVD

鉄人28号を操る金田正太郎の前に突然、「兄」が現れる。しかも彼の名も「金田ショウタロウ」。彼は金田博士の養子で戦地で亡くなったと思われていたのだが、実は生きていて戦後10年経って日本に帰ってきたのだ。2人の正太郎の前に金田博士の残した「仕事」が託されるが、その裏には…!?

以前、これと間違えて実写版を借りたことがありましたが、やっとアニメ版の方を見ることが出来ましたー。

アニメ版はテレビ版の設定を受け継ぎ、舞台は昭和30年。テレビ版の完成度の高さをそのまま受け継ぎ、すごい作品になっています。アニメではありますが、もう完全に大人のドラマですね。しかもずっしりと重厚で濃い。俳優を使った実写版よりアニメの方が心理的リアルさに勝るとはこれいかに。背景や小物にも手を抜いてないので、横山光輝氏の簡素な絵とも相まって戦後10年の日本という時代の雰囲気もよく出てます。

お話は大人好みの渋いドラマ展開で進んでいきますが、往年の鉄人ファンへのサービスも盛り込まれているのでご心配なく。ベラネード財団、クロロフォルムといった懐かしの敵役も出てきて、鉄人のライバルロボットたちも総登場。昔のデザインのままでここまでロボットアクション描けるてのもすごい。ラストではこの映画オリジナルのすごいのも出てきますからご期待。

ところで主人公の正太郎くんですが。大人視点で大人の物語として描かれているためか(テレビ版もそうでしたが)、キャラがちょっと薄いようです(ドラマ的には問題の「兄」の方が主役状態)。でもこの内容ならしかたないかも。旧テレビ鉄人28号が子ども視点の王道ヒーローものだったとしたら、この鉄人28号は大人視点で子ども視点では見えなかったものを別の切り口から描いているので。そういう意味では旧白黒アニメ鉄人28号とは全然別ものになっています。子どもの頃「正太郎と操縦機にあこがれた」人がその再現を期待して見たら「違う」ということになるかもですので、その辺り心にとめて鑑賞を。

戦後10年の日本を舞台にした人間ドラマとしても見られるので、鉄人28号を知っていても知らなくても楽しめそうな気がします。一見の価値ある作品だと思います。

最後に。高見沢さんのギャグだけは要らなかったのではと思う…(^^;。「あの部分」だけ浮いてますですよ~。あのシーンなくても十分通じますから。